R4園芸会桃振返り
「コロナ禍三年目での活動の厳しさを感じた年」
今年は、一月には冬季オリンピック開催し世界中が盛り上がる一方、二月にはロシアがウクライナに侵攻し世界中が動揺し、現在でも大きな影響を受けています。
また、各地域で桃の盗難が多発し、丹精込めたモモが収穫直前に大量に盗まれ大きなショックを受けました。八月には、コロナウイルスが過去最大人数になり、県内でも一日に一五〇〇人を超える日が続きハラハラドキドキ緊張の日々を送りました。
暗い話題が多く制約の多い年でしたが、モモ部として、優良園視察や品種検討会などの活動を行うことができました。
今年の生育の状況と気象
今年を振り返ると一月~二月は、とても寒い日が続き、三月中旬には暖かくなりましたが、四月初めに気温が低く推移したこともあり、桃の開花は昨年より遅くなりました。
五月GW明けは、一時的に気温が低くなる年が多いのですが、今年は低くなることなく気温は平年並みで推移しました。また、定期的に降雨がありました。
六月上旬に梅雨入りし、本来であれば曇雨天の日が続きますが、今年は降水量が少なく経過し空梅雨となりました。特に、六月下旬は、最高気温が四〇℃近い日が数日続くなど、もっとも暑い六月となりました。その結果、生育期間が短くなった早生品種を中心に小玉傾向となりました。
七月中旬は、連続した降雨とその後の急激な高温の影響により、果肉障害の発生が見られました。また、七月下旬の連続した降雨により果頂部の軟果や着色障害などが発生しました。
部活動の内容
一二月の剪定講習会では、果樹試験場の池田先生に白鳳の剪定や若木の夢みずきの剪定方法について丁寧に指導していただきました。白鳳の樹は老木のため、今年で終了ということで寂しい感じがします。
一月モモ部総会では、「農家から見た岸田政権と民主主義~報道の現場~」をジャーナリスト 望月衣塑子先生にご講演をいただきました。
三月の優良園視察では、大藤地区「らくらく農園」の取り組みについて萩原辰夫氏にお話しを伺い、大藤流の仕立てを南秀岳氏に指導していただきました。
六月に入り夢みずきの落果対策について果樹試験場の現地視察を行いました。
七月一九日には、当会で制定した記念日「やまなし桃の日」として、モモ部会員・各地域・団体・直売所へポスターを配布し桃の消費拡大に協力していただきました。
品種検討会は、早生種では「夢桃香」・「夢みずき」、中生種では、品種登録出願受理された「よこせ」を中心に検討しました。「よこせ」については、作りやすい良い品種なので栽培者が増えると期待しています。
一〇月は、初めて極晩生種の品種検討会を開催し、福島県の高橋忠吉氏から「CX」・「ゆめかおり」、「黄美の月」、株式会社イシドウから「ロックな恋」を送付していただき検討しました。当日は、育成者と電話で繋ぎ、様々な質問に対応していただくなど、有意義な検討会が開催できました。
来年に向けて
コロナウイルスの影響を考慮しながら、今後も県内研修・セミナー等を行っていく予定です。まずは、通常の活動(行事)等に戻し、そこから少しでも変化を入れられたら良いと思っています。
春からは、新人就農者対象の(ステップアップ)セミナーを開催する予定です。事業基本方針である「日本一の生産県の名に恥じないモモ作り、樹作り、人(仲間)作り」を基本として引き続き活動していきたいと思っています。
関係機関への要望
生産者の高齢化が進み高品質果実の生産が出来ない農家が増えている中、次の世代へスムーズに引き渡せる支援をお願いしたいと思います。
具体的には、気候変動に強い品種の育成や資材高騰対策、桃・葡萄の泥棒対策について引き続きご支援をお願いします。
まとめ
来年もコロナ禍に対応した様々な活動を行っていきますので、多くの部員の参加をお願いします。
関係機関の皆様(県・果樹試験場・農務事務所・JA・市町村)ご指導ご協力に感謝申し上げると共に、今後の活動へのご支援を引き続きお願いします。